苦悩と転機、そして挑戦

Episode 17

平成4年になっても景気のいい話は耳に届くことなく、益々暗い方向に行っているのが仕事をしていて肌で感じ、実際仕事の受注量は減っていった。 この当時、私たち家族は片野新町の借家に住んでいました。
長女は歯科衛生士の専門学校に通い、双子の姉妹は久留米の聖マリアの短期大学に入学、3人の学費は年間140万円。 双子への仕送りは月16万とかなりの金額の出費でしたが、当時の私の収入は1千万を超えていたので、奨学金を申し込んでもはねられた記憶があります。
夜は相変わらず堺町に友人たちと飲みに出ていました。 入院中に知り合った女性がいて、月3~4回ほどデートをして気を紛らわしていた時期でした。
女房と結婚して25年近くになったが、子育てに追われ喜んでもらえる事が何一つしてあげたことはなかった。 ある日ふと何か欲しいものはあるかと聞いてみた、家が欲しいとの答えが返ってきた。 馬鹿な事をいうな!と返したが、2~3日しての休みの日、南区の舞ヶ丘のモデルルームに家族で見学に行った。 舞ヶ丘のモデルルームの家は気が進まなかったが、その当時の担当者が、上吉田にモデルルームでいい家があると案内され、早速見に行きすぐに気に入った。 とんとん拍子に話が進み、4月に購入し5月に引っ越しをした。 売買代金は4200万円、自己資金500万、あとはローンを組んだ。
東証平均株価終値が景気先行き不安で大きく反落、1万4309円41銭に6年5ヶ月ぶりの低水準。バブル景気の終焉。 大蔵省が都市銀行など21行の不良債権が平成4年9月で12兆3000億円と発表し、どこまで景気が悪くなるのか当時の私では想像がつかなかった。 政治では金丸自民党副総会が佐川急便から5億円を受け取ったとして10月に議員辞職を表明、自民党竹下派が分裂、小沢一郎グループが羽田派を旗揚げ。 歌謡曲ではサザンオールスターズの「涙のキッス」や槇原敬之の「もう恋なんてしない」がテレビ等で流されていた。

苦悩と転機、そして挑戦

Episode 17


Episode 16

景気低迷と印刷業の挑戦

PREV

Episode 18

ビジネスの挑戦、そして時代の波

NEXT

1995 - 2024 HEARTY BRAIN Inc.

Sound On Sound Off