厳冬の試練と再出発

Episode 26

平成11年年初めに、まず最初に取り組んだのは、下請けに2,000万の手形を切っていたのをどうするかであった。
二社の売掛金の60%を直ぐに現金決済する事で話がついた。 次に1週間に一度東京に行く事を決めた。毎週木曜日、安いチケットを購入し日帰りで行く事に決め、1月の半ばに担当者と二階の商談室で詰めた話をした。 本業のシステム会社は、元々自動車修理会社にコンピューターシステムを導入していたので、今までのネットワークを使ってキズ、ヘコミなどの簡単な修理を、早く、安くできるパッケージを提案し、加盟店を募集する為の広告宣伝をする仕事であった。テレビでは美川憲一を採用して認知度は非常に高かった。 新規オープンの所にはチラシを必ず印刷し新聞折り込みをして提供するのでいい話だった。 印刷料金と新聞折込の見積書は、すでに提出し、毎週通い続けたが中々話は前に進まなかった。 木曜日に行っても今日会議があるのでと、会えない日もあり夕方の飛行機の時間まで、上野の美術館や、東京タワーを見学して帰路に着いたこともあった。 2月入っても同じ様な行動で、さすがに弱気になり3月の初め今日でダメなら考えようと、いつもの商談室で担者を待っていた。30分位して来たが、いつもと違う様子で何か手に原稿の様なものが目についた。
担当者の一言目が、山形で新規オープンするのでその仕事をしてくださいとの事とだった。今日原稿をファックスするのでとの話で担当者は直ぐに席を立った。次の日直ぐに制作して、校正、印刷も終わり発送した。これから頑張ろうと社員と手を叩き合った。 2日ぐらいして担当者から電話があり、チラシが汚れていると修理工場の社長からクレームがきたので、貴方の会社の電話番号を教えたのであなたの所で対処して下さいとの話だった。目の前が真っ暗になる。1時間位して電話があったが山形弁でさっぱり要領がつかめない、何度も聞きなおしたら、チラシの一部(8000枚)位が汚れている事がわかった。 運送会社に連絡して話を聞くと最後受けた個人の軽トラックが、雪道で荷物を落とした事が判明した。印刷会社に連絡して夜中に印刷して貰い、運送会社には航空便を使って貰い、飛行場に待機して貰い、翌日に届けた。一生懸命対処したが、もう注文はこないだろうと落ち込んだ。

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合併からの7年間と新たな挑戦

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