大阪進出の挑戦 〜支店設立と新たな市場開拓〜

Episode 44

東京の仕事の減少、P店の先行きの不安、大阪への進出の足がかりをどうするかなど問題を抱えながら新しい年を迎えた。 東京の仕事は取り戻す事はできないと見切りをつけたが、P店の仕事は新規店舗が、名古屋、鹿児島、と話がありプレゼンをしたが他社に決まった。 大阪の支店の件で担当副社長と話をする機会が増えてきた。 まず支店は新大阪駅の直ぐ近くに自社ビルを所有していたので、そのビルの6階に構えることにした。 次にする事は社員の確保をする事で、新聞で求人を募集した。事務所の備品の手配も終わり形は出来た。 副社長と2人で大阪に入り、以前にスペースワールドの時に仕事をした、Iさんと久しぶりに会って副社長を紹介した。 2人とも直ぐに意気投合して、これから先の仕事を前に進める下準備が整った。 その後支店長になる人材の面接、社員の面接、設計士、事務員と面接を続け、1ヶ月で社員は揃った。 Iさんは大阪で顔も広く色々な人を紹介していただいた。
まず土地探しで一番初めにはさんの知人が開拓している西宮の土地を持ってきたが、副社長はあまり気に入らず、直ぐに答えが出なかったた。 大阪に行くたび、大阪市内、奈良、大阪郊外と土地を見に行く日が続いた。 ある日Iさんが準大手の建設会社の常務を副社長に引き合わせた。この事が大阪支店の売上の発展に大きく寄与した。 建設会社の常務が銀行がらみの土地を紹介して、見に行くことになった。 物件は谷町通りにあり、印刷の製版をする大きな会社で見に行った時はまだ仕事をしていた。 技術革新の波を受けて昔ながらの製版では仕事が減少し土地建物を売却する事に成ったのだろうと考えて感情的な気持ちになった。 大阪の谷町は地でも価値のある土地で、大阪に長年住んでいるはさんと常務も買いを進めた。 西宮の戸建ての土地も同時に購入し本格的に動き出した。 事務所には、支店長代理、設計で女性2人、男性1人、事務員1人が在籍、私もデザイナーを1人雇用し本社と連携して仕事を進めて行く事にした。
ある日支店長代理が大阪の広告代理店を私に紹介して、担当者と会い大阪のマンションの広告の内容を詳しく聞いた。 紹介された代理店はマーケティングに強く、デザインも良く信頼できる会社であったが、色々なアイテムを示して見積書を貰い内容を見てびっくりした。 北九州の料金と比べるとデザイン価格は約2倍、印刷料金も30%は高かった。 大阪の代理店と何度も交渉して価格を下げてもらい、担当副社長に見積書を提出しても却下が続き、少ない時で5回、多いときは10回の再提出した。 大阪の代理店には頭を下げて、大阪の物件は全て貴社に発注するのでとにかく金額を下げるようにお願いし、私も利益を度外視して取り組んだ。
この年東京都知事に舛添要一が当選、出直し大阪市長選では橋下徹が再選、消費税8%スタート、広島県では土石流 により74が死亡、御嶽山で噴火。死者、行方不明者63人、衆院選で自民と公明党が大勝。歌謡曲ではAKB48がオリ コン上位をひめていた。プロ野球ではソフトバンクが日本一に輝いた。

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新たな門出と広がる縁 〜ロータリー会長就任とビジネスの新展開〜

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揺れる想いと安定の狭間で〜経営の軌跡と新たな出会い〜

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