デザイン内製化への挑戦と予期せぬ転機

平成9年に入り仕事は順調だった。 個人の外注でこなしていたデザインを自社でなんとかできないかと思案している日々が続いた。 個人でしているデザイナーは融通はきくが、中々約束の時間通り仕事が運ばない事が多くなってきた。 よしと思い、自社でやろうと決断し、デザイナーを募集すると同時に、Macを購入する準備もした。 男性1人、女性2人を採用、初は思い通り行かない事もあったが、徐々に慣れていった。 平成6年にロータリークラブに入会していたが、それどころではなくホームクラブの出席ができず、他のクラブのメイキャップでごまかしていた時期であった。 長女は来年専門学校を卒業するし、双子の姉妹もあと2年かと思いつつ、1ヶ月に1回各地を回っていた。 時々最終の列車に乗れずホテルに泊まることもあり、ハードスケジュールであったが、充実はした日々を過ごしていた。 暑い夏が過ぎ、やっと秋らしくなってきたと思った矢先、何か得意先の旅行会社の社員の様子がいつもと違うように見えてきた。 仕事はいつも通りあったが日が経つにつれて一般社員から、幹部クラスの人までの態度がおかしくなってきたのがわかった。 取引先の旅行会社に対して心配事があり、モヤモヤした気持ちで平成10年を迎える事となるのだが、この心配が現実になるとは・・・・ 世の中もいろいろな出来事があった。 消費税が3%から5%に、日産生命保険の経営破綻、ダイアナ元英皇太子妃がパリで交通事故死、山一證券が自主廃業。 歌謡曲では安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE」ヒット、 今井美蔵の「PRIDE」が流行っていた。