旅行会社の倒産と困難な時期

Episode 23

新しい年ににると、得意先の幹部を含め社員の動揺する動きが一層目につくようになった。
第二期の当社の売上は、15,866万円、売上総利益、5,265万円、営業利益1,194万円となっていた。 その頃、旅行会社の総務部長が私の部屋に来て、どこかスポンサーはいないかとの話があり私も友人に相談した。 又見知らぬ人たちの出入りが多くなっていった。
旅行会社の経理担当者が私の会社のパートの事務員に話をしたのであろう、1月15日で会社を辞めたいとの言ってきた。 売り上げの帳簿を見ると、旅行会社への売掛金は2,700万円、外注印刷の会社の買掛金は、2,300万円あった。 1月からの仕事はストップし、他のお客様の仕事でなんとか凌いでいた時期であった。
この年の国内総生産が前年度比0,7%減、マイナス成長は23年ぶりで戦後最悪の状況で、倒産が相次いだ。 3年10日、得意先の旅行会社が倒産。テレビで何度も放映があった。 この時得意先の旅行会社は、積み立ての旅行商品を販売し、一般市民に数多く販売してたので、大きなニュースになった。
初はかなりの債権者の人たちを目にしていたが、2週間ぐらいで落ち着き、私も我にかえりこれからの事を考えていた。 友達に相談すると、このまま会社を倒産させた方が楽だとの意見が多かった。旅行会社の最終的の負債は、2,900万になっていた。 外注先の買掛金は2,700万円あり、今後仕事をしていくのは無理かとも考えた。
この頃、兄貴の長女が5月に結婚式をするとの案内状が来ていた。 大変だけど5人で出席するとの返事をしていた。
この出席が後に大きな意味を持つことになるとは・・・・。
又我が家では長女が付き合ってる男性がいるのでと自宅につれてきた。 双子の姉妹は、3年間の看護師の後、助産婦になる為もう1年学校に行きたいとの話があった。 女房はこんな大変な時に無理なこと言わないのと、2人を説得していた。 私の頭は意外に冷静であった気がする。
橋本龍太郎が総裁辞任、小渕恵三が首相に就任、日本リースが負債総額2兆4000億円で最大の企業倒産が起きる。 歌謡曲では、「誘惑」GLAYやSMAPの「夜空ノムコウ」がヒットしていた。

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デザイン内製化への挑戦と予期せぬ転機

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