兄の退職と新会社設立の軌道調整

Episode 14

一難去ってまた一難、平成2年暑い夏、私の兄で工場長が連絡も無く会社に来ない日が3日続いた。 しびれを切らして自宅を訪ねると昼間からビールを飲んで酔っていた 「連絡もなく昼間から酒飲んでどうするんかー」と大きな声で怒ると 兄は、「俺会社辞める」との返事が返ってきた。 私も興奮していたのでこの時は早々に引き上げることにした。 それから10日間ぐらい毎日説得に通ったが最後まで兄の気持ちは変わらなかった。 気の優しい兄であった口も上手くなく職人肌でストレスも溜まっていたのだろう。
土地の売却、従業員の説得も100%ではなかったが何とか形はできた。 新会社の名前の募集を従業員も参加して実施したり、引っ越しの時期を決めたりしなければとか忙しい日々が続く毎日であった。 忙しい合間の中、新会社のリフォームの仕上がりを見に行った。 導入する必要な家具や文具類も決めていかなければならなかった。 一階は印刷工場、二階は製版室、コンピューター室、三階は営業室、会議室、事務室、会長室、社長室と配置が決まっていった。 私が想像していたより外観なかも立派に出来上がっていき、業者と打ち合わせをして引っ越しを平成3年の5月の連休にすることに決めた。
平成元年年12月29日の東証株価史上最高値の3万8915円から9ヶ月で株価は2万円を割り時価総額590兆円(世界一)から319兆円に減少した。 失われた日本経済の始まりであった。 私の頭の中には、新しい新会社への期待と不安が入り混じっていた・・・ これからが私にとって、本当の人生を歩むことになる。

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自立と進化の時代

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