予期せぬ融資と個人的な負担

Episode 10

翌日、銀行を訪ねると融資担当の次長と会い、部屋に通されました。
早速話に入りますと切り出され
「支店長から貴方の会社に一億円を融資する様に指示がありました」との話でした。
そう告げる次長も支店長からの指示に少し困惑した様子でした。
今までの借入金を返済しても半分くらいは手元に残ったと記憶してます。

支店長とは親しくしていませんでしたが
借り入れをした社長の自宅で催されるパーティーなどで顔は合わせていました。
早速「支店長に御礼を言いたい」と次長にお願いしたところ
東京に転勤が決まり準備のため東京に行ってるとのことでした。
御礼は後日ということでその場を後にしましたが、結局その後も支店長には会えませんでした。

景気は良くて仕事は毎日忙しく、当月は黒字で推移してました。
借り入れした社長に会って銀行から融資をして貰った事を話し
残りの中から一部返済に充てる説明をしますと大変喜んでくれました。
借入金も順調に返済してあとチョツトのところまできてました。
ところが社長が突然席を立ち、引き出しから二枚の紙を取り出して私に差し出しました。
手に取って広げて見ますと公正証書で、借用証書でした。
話を聞くと長男個人に貸した分だと説明されました。
金額は1,500万位だったと思います。

この時ひと言も理由など質問せず
「わかりました。返済します。」と返事をしました。
仕事も順調で借入金の返済も計画より早く返済出来てましたので自信が有ったのかも知れません。

病気の方は相変わらずで毎日注射と点滴を受けに病院へ通ってました。
その頃政界を巻き込んだリクルートの江副会長が辞任
ソウル五輪では鈴木大地が背泳ぎで金メダルを取りました。
昭和天皇がご病気で行事イベントなど自粛ムードが広がってました。

ある日今までにない気だるさと眠気に襲われ、病院に行くと即入院でした。
内科での検査、外科での検査が何日も続いたせいか物凄く疲れ一日中ベットで寝ていました。
のちに病気が良くなって女房に聞いた話ですが兄弟が集まり
「肝臓病で入退院を三回繰り返すと病院からは出てこられない。もしもの時どうするか」
との話までしたと聞きました。

検査の結果、胆嚢炎で胆嚢が腫れて早急に手術が必要との結論が出されました。
昭和63年の12月の中頃でした。
手術は翌年の1月12~13日頃でした。
手術の説明を受けストレッチャーで手術室に運ばれ、麻酔をして手術が開始されました。

麻酔をしていたので覚えてはないはずですが何故か先生のひと言が聞こえました。
意外なひと言でした。

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